先日、知り合いが長年使ってきた我が「パパチャリ」に乗っていたら、
突然、ペダルがこげなくなったという。
自転車屋に持っていくと、修理に1万円近くかかるとか・・・。
このマシンは、現在12歳の娘が、確か3,4歳のころに買った自転車で、
もう10年弱乗っていることになる。
我が愛する娘っこさんは骨が弱い障がいを持ち、
これまで10数回骨折しているほどなので、
このようなタイプの自転車に乗ってもらうにあたって、
それはそれは気を遣ったものだ。
倒れでもしたら、命が危ないかもしれない。
いつもいつも、彼女を乗せるときは、内心冷や汗ものだった。
しかし、危険があるとはいえ、この自転車のおかげで、行動範囲がとても広がった。
車イスに乗って移動するには、移動範囲が限られる。
公共交通機関で遠出するのはいいが、
近場でちょっと足を伸ばすことが難しかった。
わざわざ車で出かけるほどでないところへの移動は特に。
(車を日常的に使いたくないとも思っていたですし)
某局に、「おかあさんといっしょ」という番組があるが、
「おとうさんといっしょ」の日も週五回のうち二回ぐらいはあっていいと思うが、どうだろう。
せめてまず週に一回ぐらいは、まず「おとうさんといっしょ」もやらないかな。
それと同様、世に「ママチャリ」という呼称はあるが、
「パパチャリ」はとんと聞かない。
そんなわけで、今日、廃車にすることとしたこのチャリを、
最後に「パパチャリ」と名付けた。
ある晩のこと。
このパパチャリに乗って走っていたら、
警察に呼び止められた。
怪訝そうに僕と自転車を見比べる本官殿に、
「これは僕のですよ」と主張しても、
彼は聞かない。
散々時間をとって、無線で防犯登録を照合し、やっと納得したという有様。
「ね、だから僕のだって言ったでしょう?」と言うと、
「いやー、これはお母さんが普通乗るものだから・・」と、バツが悪そうにのたまう。
んな、あほな。
父親も乗ります。
「いまどきは、お父さんも乗りますよ」と彼に言って聞かせ、
その場を後にした。
時間が取られ、不審がられてくやしかったので、今、ネタにして溜飲をちょっと下してみる。
ともあれ、このチャリにはお世話になった。
もう娘が乗らなくなっても、ずっと乗ってきた。
元来、モノを捨てるのが忍びない性質である。
うちの母もそうだった。「もったいない!」が口癖。
でも気をつけないと、いらぬものもためこみ、家がえらいことになる。
このチャリくんも、雨風にさらされボロボロになり、
幾度も転倒しては、ボロボロになった。
そしてとうとう、この度、逝ってしまわれたわが愛車、パパチャリ殿。
本当にごくろうさまでしたm(_ _)m
手を合わせて、
この拙文に、心からの感謝の思いを表します。
ほんとうに、ありがとう!!!
そして、
さらば!パパチャリ。
大変お世話になりました(合掌)。
(追記:そういえば、このチャリに関する笑える忘れ難い話をもうひとつ。
わが連れ合いは、娘同様、骨が弱い障がいで、
大人でも身長が小さい。
ある日、車を人に貸していて、彼女がちょっと遠出せねばならず、
車イスで行くと間に合わない、ということで、
「自転車に乗せて連れてって!」と頼んできた・・・。
御歳50近く。
まあ、体重は非常に軽いので、不可能でなかったが、
「ほんとうに乗ってくの?!」と幾度か聞き返した。
その決意の固いのを見て取ると、
彼女を「よっこいしょ」と乗せ、
こぎ出だしたわたくしめ。
赤いフード付きのジャンパーを深めにかぶった彼女は、
楽しさか、軽い恐怖ゆえか、
道中ずっと笑いっぱなし(笑)。
僕はできるだけほとんど人出のない道を選び、
目的地にひた走った。
誰も気づかないのか、われわれに目もくれない中、
途中、一人だけ、小学生の女の子が気づいた様子。
まさに「ET」さらながらの、
一見普通で、実は極不思議な我らを見つけて、
目を本当に「まんまる」にし、
彼女は、
僕らが通り過ぎるのを口をあんぐりとあけて、ずっと見続けていた・・。
今思い出してもおかしくなる表情だ。
彼女にとってもきっとほんとうに忘れ難い光景だっただろう。
後にも先にもその時一回こっきりだけしか、わが連れ合い殿を乗せたことはなかった。
廃車にする前にもう一度、乗せて走っても楽しかったかもしれない。
返す返す、感慨深い思い出が、いくつかこのパパチャリと共にある。
別れは、さみしいな。
追記でした。)

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